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帯刀・翔護の日常や、過去を少しずつ書いていこうと思います。
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天野さんの昔話を聞いたら、私も昔の事を少し思い出してしまいましたねぇ。

ん?…聞きたいですか?
そうですね、暇ですし話してあげましょう。
あれは、まだ私が族の総長をしていた時でした…。









寒さも大分薄れちらほらと桜の蕾が膨らんできた3月の終わり頃、ビルの間にある空き地で男が少年2人を睨み付けていた。
男の周りには仲間と思われる同じ雷のようなマークの入ったジャケットや学ランを着た男たちが倒れている。

「ガキ、何サンダーストライクに逆らってんだコラ!?」

男の一般人なら腰を抜かすのではないかと思われる形相をどこか見下したような目で見る黒髪の少年と面倒臭そうに見る銀髪の少年。
そう、幼い頃の翔護と雷覇だ。
サンダーストライクの下っ端が血走った目で最近勢力を伸ばしてきたBlood Horizon…翔護が総長をしていたチームにガンをつけてくる。

「嫌ですねぇ。別に逆らっていませんよ。」
「ア?」

翔護の言葉に怪訝そうな目で睨み付けてくる下っ端。
じゃあこれはどういう風に説明する気だよ。
そんな目で地面に倒れている仲間を見る。

「最初から従っていなければ逆らうとは言わないでしょう?」

翔護の言葉にプチンと来たのか殴りかかってくる下っ端。
それを体を捻るだけで交わすと鳩尾に拳を食らわす。
グェッとカエルがつぶれたような声を出すと下っ端は地面に崩れ落ちた。
汚いものでも見るような眼を一瞬向けた翔護であったがすぐに興味を失ったのか翔護に似合わない綺麗な刺繍を施してある白いハンカチを取り出し手を拭いていく。

「翔護、いいのか?」
「何がです?」
「まだ地形も調べきっていないのにこんなに派手にやらかして大丈夫か。奴等、お礼参りに来るぞ。」

雷覇の言葉をさして気にした様子もなく、ハンカチを見つめる翔護。
そんな翔護の様子に思わず溜息をつく雷覇であった。
実際の所「Blood Horizon」を創ったのはごく最近の事で、チームとは名ばかりの翔護と雷覇しかまだメンバーがいないのだ。
しかも翔護も雷覇もまだ小学5年生…つまり子供なのだ。

「まさか雷覇、怖いとか言いませんよね?」
ハンカチを大切そうにしまうとどこか嘲笑うような顔で雷覇を見る。
翔護の言葉をに肩を竦めるとと雷覇は「そんな訳ないだろう」と言った。

「ではいいのですが…まぁチームメンバー等というものは知名度が上がれば探さなくとも向こうから来ますよ。その中から気に入った者だけメンバーに入れればいいのです。」

事も無げにそう言うと、翔護は歩き出す。

「で、これからどうする気だ?」
「私はどうでもいいものを待つのは嫌いです。…サンダーストライク、潰しに行きましょう。」

翔護の言葉に雷覇はまた呆れたように溜息をついた。
どうやら翔護は本気のようで意識を失った男たちを一瞥することもなく空き地から出て行った。
おそらく、チーム「サンダーストライク」は今日中に消滅するだろう…そんな雷覇の予想通り50人余りの巨大暴走族「サンダーストライク」はたった2人の少年によって表舞台から姿を消した。

そして、4月の初頭にはチーム「Blood Horizon」はその町を支配するようになっていた。
その名の通り、辺りを血で覆って…。









…と、言うのが昔の話ですね。
退屈しのぎにはなりましたか?(微笑
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